愚かだろうと言われようと15の夜の少年はまだ其処に在る

15歳の夜から20年以上経ちました。それでもなお、変わらない部分は変わらないままでいます。

昭和~平成~令和を想う日に 銀牙伝説WEEDオリオンを読んでつぶした話

kindleアンリミテッドで全巻出ていたので読んでしまった。

銀牙伝説WEEDオリオン 全30巻 高橋よしひろ

 

【概要】

山犬の覇権争いを描いた作品。
銀牙 -流れ星 銀-』からスタートした銀牙シリーズの第3シリーズ。
覇権といっても相手は様々で、『銀牙』は熊、『銀牙伝説WEED』ではやばい犬、
そして『オリオン』は犬の裏社会の犬との闘いとなっている。

 

【登場人物】

本作の主人公は『銀牙』の主人公”銀”の孫にあたるオリオン。
個人的にグッドアイデアだなと思ったのが、
オリオンの兄弟、シリウスやリゲルのトリプル主人公であること。
(一応、女の子兄弟もいるが、銀牙の伝統である女・子どもは戦わせないという男気ルールがあるためほとんど出てこない。)

親子二代によるストーリーは、子どもは父の影を感じさせつつ若くすれば成立する。

けど、孫は?ってなった時にどう性格付けするかがポイントになってくると思う。

オリオン、シリウス、リゲルに分けることによって、
それぞれの個性を出しつつも血筋を感じさせるつくりになっている。

オリオンは若干問題児。身体能力は高いが男気が溢れすぎてて、
敵を倒すことから、敵をぶっ殺すところまで思考がいってしまう。
生まれながらの戦闘民族サイヤ人みたいな子。
その男気は周りを引き付ける原動力にもなるが、
同時に自軍内の不和を生んだりしてしまう。
が、そこは三代続いた本作。三代前のメンバーも現役なので、
大人たちにたしなめられたりしながら何とか最終回までこぎつける。

シリウスは長男にあたるが、戦闘力がそこそこ高いながら優しさも持ち合わせた子。
それ故に仁義に囚われすぎて序盤はもどかしい思いもしたが、
最後は次期リーダーとなる位置につけられて行動する。

リゲルは中盤からの参戦で活躍の場が少なかった黒色の主人公。
本作は舞台が日本全国(東北~中四国)だったこともあり、
上記二頭が物理的にいない場所において、主人公らしさを出す場面で活躍してた。

 

【ストーリー】

銀やウィードのいる奥羽軍が治めていた二子峠付近が火山の噴火により壊滅。
奥羽軍のメンバーも散り散りになってしまった。
その機に乗じて、天下統一をもくろむ政宗が兵をあげる。
政宗は圧政で侵略したため、オリオンを含む奥羽軍の生き残りや政宗の弟・山彦が対抗。各地で仲間を集めたり、敵を懐柔したりなんだりしながら政宗と激突した。

 

【みどころ】

①三大勢力になろうかと思われた「天下」のへっぽこ

 不思議な魔力を使い朝廷直属の犬という設定。知略にも長けた戦をみせたが、

 登場してみればただの貴族意識が高いだけのへっぽこ。

 ただただ威張って終えるところ。何しに出てきた。

 

 

②真面目な男たちがみせる煽り

オリオンと前作からのお調子者キャラ柴犬サスケ、おぼっちゃま育ちのボン以外は
ほとんど真面目キャラなので、ギャグ要素は少ない。
が、たまに真顔で煽るセリフがあるのでツボる。
Twitterとかの煽りに使えそうだが、無断転用なので自粛する。

 

③子犬が可愛い

 主人公たちが1歳に満たない子犬なので、じゃれあいがほほえましい。

 

30巻必要かといわれると、15巻分ぐらいの内容しかないが、
犬たちの男気で堂々30冊いったという感じ。
1話当たりの進捗は刃牙よりも遅いかもしれない。
銀たちが生きてると分かってから実際に開放されるまでに22巻まで待たないといけない、とか。

 

これ、新規さんは飽きるかもしれないが、銀牙やウィードから読んでると、
レジェンドメンバーの登場は胸熱。
80年代からの男気ストーリーが2010年代まで読めるってのがすごい。
と思ったら、2019年になっても新作『銀牙伝説ノア』が出ててすごい。